胡麻豆腐を作るのが好きっていう話

2019年3月13日

 

精進料理にもジャンルみたいなのがある

精進料理はざっくり説明すると、日本で発展したものと中国で発展したものがあって、
黄檗宗の’普茶料理’は中国で発展した精進料理が江戸時代に隠元禅師によって伝わって来たもの。
油をたくさん使って「揚げる」といった調理法は中国から江戸時代に伝わったものです。
普茶とは<普く(あまねく)大衆と茶を供にする>という意味を示すところから生まれた言葉で、
席に上下の隔たりなく一卓に4人が座って大皿に盛られた料理を分け合いながら食事をする作法がある。
寺院行事のときに集まったみんなで茶礼をする際に出される会食だったそう。
献立は二汁六菜を中心とし、
油磁(ゆじ)野菜の天ぷら、雲片(うんぺん)五色の雲に見立てた野菜の葛寄せ、澄子(すめ)すまし汁、醃菜(えんさい)香の物、笋羹(しゅんかん)季節の野菜の炊き合わせ、麻腐(まふ)ごま豆腐、浸菜(しんつぁい)浸しもの、和えもの、素汁(そじゅう)具をたくさん入れた汁、行堂(ひんたん)季節ご飯といったかんじ。
みんなで楽しくいただくものなので、見た目も華やかであったり濃いめな味付けがされています。
もどき料理も、普茶料理の特徴です。
うなぎもどきを習ったときは黄檗宗のお話も聞けてとても面白かったので、それについてはまた今度の機会に。

胡麻豆腐って作れます

今回は、胡麻豆腐のおはなし。
胡麻豆腐を作るためには、胡麻をすり鉢で30分から40分擦り続けなければなりません。
胡麻から油がじっとりと出てくるまで、ただただひたすらに擦り続けます。
とても時間と気力のいる料理なので、精進料理の中でもおもてなし料理と言われているし、いろんなお寺で作られています。

私は、<胡麻豆腐をつくる>ということがとても好き。
精進料理のなかでもすり鉢をつかう調理が好きなのと、とっても単純なことを時間をかけて行うということ、あとは胡麻と葛と水だけでできるっていうシンプルなところが精進料理っぽくていい。
レシピはたくさんあるので出汁や調味料を使って味付けするものもあるけど、胡麻の擦り具合で味が決まるというところもまたいいから、このレシピが1番気に入っている。いかに上手に胡麻を擦れたかが、胡麻豆腐の味の決め手になってくる。
さらに、胡麻は擦り続けていると状態が変わってくるだけではなくてにおいも変化する。
30分〜40分擦り続けるうちに、胡麻の変わっていく様を目で見て耳で聞いて鼻でにおいを嗅いで手応えで感じる。五感を使って料理しているという実感を得られる精進料理らしい料理なのです。

みんなに胡麻擦りませんかって呼びかけてみた

今回、わたしは自分の活動について発表する機会があったので、胡麻豆腐を作るための胡麻すり体験を行ってきた。
(行政の方や事業者の方々が集まる会で、本来はこの地域で事業をおこすための計画や展望なんかをお話する場だったんだと思うんだけれど、不出来な参加者だったので、すり鉢と擦りこぎ棒ひっさげてって「胡麻すりまーーーす」なって言って発表しちゃってました。他の参加者さんたちはしっかりと自分たちの事業計画をブラッシュアップされていてとても勉強になりました。おもしろかった。)


(めっちゃ苦手なパワーポイントさまを使って、わたしは胡麻すり体験しますという話をしている)

どんな発表をするかを全体にプレゼンしたあと、10人くらいが2部に分かれて自分のブースで発表する。行政の方や事業者の方など集まってくれた方々は興味のあるブースへ分かれてもらう設定。
胡麻をすることに興味をもって集まってくれた方々に、精進料理について少しお話を聞いてもらってから
胡麻すり体験です。

女性に偏るかなーーと思っていたけれど、意外にも男性も来てくださったので14、5名で男女半々なくらいだったのには私が驚きでした。

いざ胡麻すり

はじめは胡麻がプチプチと音を立てるので小気味いいです。擂り粉木棒を当てていても胡麻が潰れている感触があります。
そのまま擦り続けると、胡麻が全体的に潰れてきてほぼすりごまになってきたような状態。
この辺りから、胡麻の香ばしいにおいがしてきます。みなさんからも、胡麻のいい香りがしてきましたねー!という声があがりました。
さらにひたすら擦り続けると、すこし胡麻がしっとりとし甘いようなにおいになってきます。
この辺りでだいたい10分を過ぎた頃です。そして、「まだ??あとどのくらい??」と聞かれ始めるのがこの頃。

\\まだまだなんです!!!!!!!!//

このしっとりしてきた胡麻が、油が抽出されてじとーーーーーっとツヤが出てくるまで頑張って擦り続けます。

この辺からは自分との闘いになってきます。

胡麻はしっかり潰れてすり鉢にくっついているので、手応えもあまり感じないし、どのくらいまでやればいいのかいまいちわからない。ただきちんと胡麻から油を出しておかないと、葛で固めた時に胡麻の味がしないんです。ひらすらひたすら、擂り粉木棒を回し続け、無心になってきたころに、ようやく照りがでてきます。

ピーナッツバターのようなかんじ。
この場では胡麻をするところまでだったので、家に持ち帰って続きをやりました。

まず水を少しずつ加えて溶き

さらしで濾します。胡麻の油を全部出し切るようにしっかり絞る。

葛を溶いて

ひらすら混ぜる!!ここはまた力がいります!

このくらいまでまとまってくる

(少ない量でやったのでちょっとわかりづらいですが・・・)

型に入れて冷ましたら

できあがりーーーーーー!!!!

出来上がった胡麻豆腐を切り分ける瞬間は嬉しさがこみ上げてくるのと、きれいに出来上がっている時の気持ち良さで貴重な時間です。

手作りのごまどうふはめっちゃおいしいです。
ぜひぜひ1度は体験してみてください。