地域おこし

都会の若者がくるようになった田舎

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東京巣鴨にある大正大学地域創生学部の学生さん14名が約40日間の実習で阿南に滞在しています。

開設された2016年から新野町は実習地として関わっていて、1期生(現在大学4年生)は実習以外にもしょっちゅう休みを使って訪ねてきてくれる。

田舎では「若い子がなにを楽しみにきてくれるんだろう?」なんて話題にもなりますが、公民館での再会はみんないつもとても喜んでいます。

新野町と若者のこれまで

阿南市新野町は、徳島県阿南市のなかでも南西の山側で海からは山を1つ越えたところにあります。山や田畑が多くて広いので隣接する町も多い。大きな道路やコンビニもある地域もあれば、お店まで車で15分かかって町内の人でもなかなか行ったことがないと言われるような山奥の地域もあります。農業で生活している人もいれば町外へ仕事に行っている方もいますが、町内に事業者さんがいくつもあるので町内で勤めている人が多いのは新野町の特徴かもしれません。町外からも働きに来ている方がいます。

それでもやっぱり子どもは少なくて、こども園、小学校、中学校の現在の児童数を聞くと驚きます。どこの田舎でも同じように起こっていることだとは思うけれど、やっぱり大人たちで集まると自分たちの頃と比べてずいぶんと減っているので、とんでもないことが起こっている気持ちになって会話しています。親御さんや先生方が協力しあって、少ない人数でも教育の質が下がらないようにと努力されているんだそう。

子どもの数の減少というものはは緩やかにじわじわとした変化ではあるけど影響はとても大きいもので、新野町にあった新野高校は2019年の3月に76年の歴史に幕を閉じ、光高校となって旧阿南工業高校と合併し校舎は宝田町の方にうつされました。
近くのJR新野駅から通う高校生の姿が見られなくなったのは新野町にとってとてもさびしいできごと。10年ほど前に卒業生や町民を中心に行われた反対活動もむなしく、現在新野高校は改修工事が行なわれ、農業や化学などの実習で利用される実験棟は残しながら昔の校舎は解体が進められています。

「若者は都会へ出て行くものなんだろう」という意識はおそらく日本中に存在していて、阿南市の人たちも例にもれなくそう思っている。都会には、「出会いも仕事もたくさんあって、遊ぶものも学びや芸術に触れる機会もいくらでもある」もので、つまり「田舎にはそれがない」と考えられている。さらに、それは安定した仕事や家庭を築くためにはしょうがないものなんだろう、となんとなく受け入れられている価値観のようです。

現に新野町で暮らしている人のなかでは新野町でずっと暮らすことよりも企業に勤めて安定した仕事をするほうがいい、そのためには新野町を出て、会社の近くで住むのも仕方がないという意見が多いです(ただし定年後は戻ってくるとか、長男は家を継ぐものというものもあります)。2年半暮らしてみて感じるのは、「田舎のいいところは都会に比べて自然が多いところ、食べ物が美味しいところ、のんびりしているところ」だとみんな思っていて、結局は生活の安定や消費する楽しみに価値があるという考えを持っている印象です。

「若者は都会の方が楽しい」というわけでもないんだ・・・

そんな「若者は都会に出ていくもの」という意識を持っている新野町にとっては、「都会から田舎へ若者がくる」ことは衝撃的な出来事。

実習では地方というものを知るため「学び」の場としてきている上に、休みの日には「楽しみ」を求めて田舎へきているのです。これはきっと田舎の人にとって価値観を覆されることだったんじゃないでしょうか。

釣りや自然散策、ドライブ、おいしいもの巡り・・・などそれぞれ自分の楽しみを見つけて楽しんでいます。

都会の大学生による都会の大学生のための阿南の楽しみ方

でも、東京からもっと簡単に行ける素敵な田舎はいくらでもあるはず。釣りでもなんでもどこの田舎でもできることで、わざわざ阿南じゃなくてもいい。もちろん他の地域にも遊びに行っているみたいだけれど、彼らは新野町へしょっちゅう海を越えてやってきて「おひさしぶりです!!」と私たちに挨拶に来てくれるのです。

地域実習では

1年次は地域実習、2年次は都市部で実習、3年次は地域実習という長期的な実習プログラム。
今阿南市に来ているのは1年生と3年生で、それぞれの視点で地域課題に取り組み研究しています。2年生は(去年来ていた1年生)は東京の商店街等で実習中、4年生(去年と3年前にきていた)は卒業研究で佳境を迎えているようです。卒論はもちろん実習での研究をもとに作成されているし、東京での実習も阿南市での実習をもとに都市問題について取り組んでいるそうです。少なくとも4年間はそれぞれと阿南市とが関わることになる。

今はまだ実感がないかもしれないけど、これは新野町にじわじわと変化を与えていくことになると思います。新野町としても長く活発的に付き合っていけるよう考えていかなければいけないな。

実習の最後には公民館に町の人を呼んで集めて、実習報告会を開いてくれます。今年の実習もみんながどんな活動をしているのかたのしみです。

 

 

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