精進料理の会:::ひまわりの会:::

 

先日、今朝はなんだか涼しいな、と思ったら立秋でした。
暦ってすごいなぁ。山の中で暮らすようになって余計にそう感じます。

この立秋になるすこし前に精進料理の会を開きました。
今回は予定していた会とは違って、前回大雨の影響でできなかった分をさせてもらえることになった会です。

今回は左上から時計まわりに

 

・じゃがいもの南蛮漬け
・しょうがご飯
・はす茎と白瓜の胡麻味噌からし和え
・かぼちゃと高野豆腐の炊き合わせ
・ひじきと糸こんにゃくのカレー炒め
・白瓜と切り干し大根のすだち和え
・ぽてとまところてん
・生おからのサラダ
・ささげとかぼちゃの寒天

 

です。

今回はスーパーで野菜も高騰しているような状況で、一軒の農家さんからは「今は全然ないのよ。」とお返事をもらうほどだったんですが、もう一軒の農家さんから白瓜とかぼちゃがあるよと教えてくれて、見せてもらったら白瓜の爽やかできれいな薄い緑色に「なんて涼やかな!!」と感激しました。それから、大葉にじゃがいも(しかもメークインとインカのめざめの2種類)、オクラ、ささげを出してくれました。調理していて、私はオクラの美しさに驚いたんですが、今まで東京のスーパーで買っていたオクラとはまったくの別物なんです!茹でても色はきれいで、舌触りもよくて、、、。おいしかった。

ご飯をたべるということ

「精進」とはサンスクリット語でヴィーリヤ(不断の努力)という意味があり、精進料理は仏道の修行僧の食事です。

精進料理を学び始めた頃、日常生活とは全く違う世界に飛び込んでいる感覚になって異国の料理を教わっているような、精進料理は和食の起源なので慣れ親しんでいるもののはずなのにとても新鮮な刺激でした。
野菜をひとつひとつよく見て、どのように調理するか考え、丁寧に扱う。同じ食材を使っても今までとは違ったやり方を教わったり、捨ててしまっていた部分もおいしくいただける調理法を学んだりして、食べるときにもまたその美味しさと野菜の美しさに感動する。山芋の皮を揚げて食べた時のおいしさと皮を食べるという衝撃は忘れられません!!
それまで、こんなに食事と向き合ったことがなかったんだと気付きました。
毎日働いて慌ただしく過ごしていると、それが当たり前になって自分が慌ただしい生活をしているという自覚がなかなかない。「きちんと座って、いただきますと言って、食材ひとつひとつを味わいながら食べ、ごちそうさまでしたと唱える。」これをするだけでも、心がほぐれるような気持ちになります。

 

作法を振り返る

精進料理では、食事の前後に唱えるいくつかのお唱えごとがあり、その中のひとつに「五観の偈」があります。これは、平等寺食事作法(びょうどうじじきじさほう)にもあります。

『五観の偈(ごかんのげ)』

一つには、功の多少を計り、彼の来所を量る:感謝の心
(この食事ができるまでにかけられた多くの手間と苦労に思いをめぐらそう)

二つには、己が徳行の全欠を忖って供に応ず:反省の心
(自分はこの尊い食事をいただくに値する正しい行いをしているだろうか)

三つには、心を防ぎ過(とが)を離るることは貧等(とんとう)を宗とす:戒めの心
(過ちの元となるむさぼり、怒り、愚かさの三毒をおさえ、正しき心を持っていただきます)

四つには、正に良薬を事とするは形枯(ぎょうこ)を療ぜんがためなり:節制の心
(美味を楽しむためではなく、この身を保つための良き薬としていただきます)

五つには、成道のための故に今この食(じき)を受く:誓いの心
(この尊い食事をいただき、自他ともに皆仏道を成すことを願い、ありがたくいただきます)

 

また道元禅師の「赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)」には食事の作法も細かく決められています。

たとえば、

・話は一切しない

・きょろきょろしない

・ひざに肘をついて食べてはいけない。座禅を組んでいただく

・食事中はからだをゆすったり、姿勢を崩したりしてはいけない

・食べる際はご飯とおかずと偏らず交互に食べる

・器や箸、さじなどの音、ご飯を噛む音など音を立てないように気をつける

・すすって食べたり、口いっぱいにものを詰め込んではいけない

・食器は必ず両手で持つ

・隣の人の器をのぞきこまない

・食べ物を残してはいけない。自分が食べきれる量を考えてよそってもらう

・もっと食べたいという欲は抑える

・みんなと食べる早さを合わせる。先に食べ終えて、他の人を眺めたりしてはいけない

 

などなど。耳が痛いお言葉ばかり・・・。食べることは毎日のことなのに、忘れがちな作法。普段自分はどんな風にして食べていたかなと振り返るきっかけにもなります。

本当は

平等寺食事作法では「喜びに充ちて食する」ことが大切であると教えてくれます。
修行のための食事が始まりであるけれど、それは修行中のお坊さんの話でもあって、大切なのは楽しい気持ちで食事をいただくことなんだそうです。
精進料理というからにはそれなりに厳しいきまりのこととか、どういう世界なのかお話ししなくてはいけないかも、、、とついつい肩肘張ってしまいます。でも、本当はただ美味しい野菜をおいしく食べてもらいたくて作っています。作法よりなにより大事なことを忘れていた気がして、この言葉をふと思い出してはハッとしては反省していますが、実は作っているときは私たちとても楽しくて、いただける野菜もとてもきれいで、まさに喜びに充ちてつくっています。

ぜひ精進料理の会で、ご家族やご友人と一緒に喜びに充ちて食してみませんか??

次回は10月22日開催予定です。